二胡の専門誌はどのようなものがありますか? - 二胡弦堂

 


 2011年半ばあたりから二胡之友という雑誌が出ています。弦堂店主は北京在住なので読んでいませんが、中央音楽学院の近くに住んでいる二胡弓の制作家・王小迪女史が、以前に訪問してきた日本人に貰ったということで、それを読ませてもらったことがあります。(二胡之友と筆で書いてあるこのすぐ上の挿入写真をクリックいただきましたら、販売ページをご覧になれます。)アマゾンでも売っています。王小迪が2011/10号が欲しいというので、次回の帰国時に持ってこれるように先日アマゾンで買いました。日本語が読めないのにどうするのかと思ったら、自分が載っているといっていますが本当でしょうか?(実は載っていなかったのです) 雑誌の内容は有名演奏家のインタビューから、二胡回りの小物の検証、そして広告です。こういう雑誌は広告が一番役に立ったりします。事実私は別のジャンルの雑誌ですが、広告がたくさん載っているという理由でその雑誌を買ったことがあります。どこに行ったら専門的なものが買えるのかわかるからです。弦堂は・・・広告出稿してませんね・・。まあどっちでもいいかなと思っています。

 中国にはこんな雑誌はないですね。中国で雑誌というと学術誌になるようです。小中学生でも読める感じではないです。先日買いました雑誌はある中年の女性二胡奏者の特集になっていて、まずカラーの写真特集が延々と続き、幼少の頃から親の写真まで掲載されてファン垂涎?の内容になっています。(誤解のないように申し上げますと、私はファンとかそういうものはありません)続いてこれまでの作曲編曲作品が掲載されており、これが貴重と思われるので購入に至ったものです。さらに過去に発表された論文が次々に掲載され、最後のページは彼女の演奏会の広告です。しかし雑誌は2011/11で、広告は2008年です。だからこれは広告ではないです。過去の広告の資料です。論文読んで感激して、さあ演奏会に行こう!と思ったら肩透かしを喰うので要注意です。裏表紙は彼女の写真が大きく載っているだけです。雑誌のようだが雑誌に見えない、日本人が見たら「あれ?」と思うような、いわば「本」です。商売というのを考えないというのは、意外とさみしいんだな、と思ったものです。広告というのは、それを見て買うものを考えるのでワクワクしますよね。それがないんですね。お勉強して終わりって感じです。広告の刺激的なキャッチコピーというのは、意外とエンターテイメントなものなのであれば、広告のない雑誌は寂しいものです。

 ところで "専門誌" というと皆さんはどういうものを期待されますか? 専門誌ですからマニアックなこだわりの感じられる内容が良いのではないかと思います。もちろん広告も含めて・・。(私は自分が広告好きということに今やっと気がつきました。)そういう内容は、全く興味のない人から見れば呆れるような内容だったりします。呆れると言えばやはりこれかなと思います。まず表紙を見て「どうしてこんなところに行くのだろう」と思われると思います。表紙はまだおとなしい方で、中身はかなり濃い世界観?が充満しています。個人旅行を趣味にしている人には歓迎されていましたが、全く興味のない人に見せると白い目で見られるので隠ぺいする必要がありました。「行かなくていい。目を醒ますように」などと説教されることもあります。所属しているライターはベテランの旅行者たちですが、年に1,2度は訃報か行方不明のお知らせが載っていました。そういう命を懸けて作られていたものでしたが、こういうお知らせが来たので久しぶりに思い出したのです。(お知らせいただいたのはアジア・インド雑貨販売のテラキタさんです。)以前は2年契約の定期購読で1ヶ月500円ぐらいだったような気がしますが、しばらく見ない間にすごく高価な雑誌になっていました。経営が厳しかったのかもしれません。中身についてはご覧いただいたことのない方には想像していただくしかありませんが、表紙からしてそそられるものがあります。健全なようだけれど、裏に毒を秘めている感じですね。専門誌にとって一番重要な要素かもしれません。デンジャラスな高揚感ですね。二胡の専門誌にこんな感じを求めてもいいのでしょうか? 学術誌はそれはそれで結構とは思いますが。やっぱり芸術なので一種の "妖しさ" は欲しい感じはあります。そういう貴重な精神?が1つまた消えていくということで、ここに旅行人の最後のスクリーンショットを残して墓標とし皆さんと共に記憶したいと思います。(注:迷惑に感じられる方は記憶いただかなくても結構です。)