中国では新学期は9月からですので、夏休み前に卒業します。その頃に卒業を控えた大学院生は学内で演奏会を開きます。(作曲科の学生は自作の演奏会を行います)二胡の演奏会もかなり行われますので自由に見に行くことができます。いずれも無料です。最近2つ見てきましたのでどんな様子だったかご覧いただきます。
演奏会はだいたい夜にあります。二号環状線に向けてそびえ立つ宿舎楼の上にわかりやすく表示してあります。
ホールは2つあります。これが大ホールでここで演奏会を開くのはかなり経済力が要ります。光緒帝が生まれた屋敷の跡地に建てられています。今回見ることのできた演奏会2つは、ここではありませんでした。
北京評劇院の公演があった時に中を見ました。古いのですが良い素材を使って建築されていますので、非常に快適に観賞できます。
小ホールは別のビル内にあります。こちらは現代的な設備です。しかし配置は古代ギリシャの円形劇場風です。この演奏者の方は知りませんので、設備を見せていただいただけで早々に出てきました。
知り合いの張国亮も卒業演奏会を催すということで行ってきました。こちらは一般の学内の大教室です。今回は真面目に最後まで座って聞きました。一曲演奏が終わる度に花束が渡されます。これは決まっているみたいで、どの卒演でもやっています。
張は興味深い演出も用意していました。中央民族大学から印度音楽の教授や学生らを呼び、自ら作曲したラーガを披露しました。しかも演奏スタイルもインド式にカーペットに座ります。
最後に記念撮影を行います。手前から作曲家の楊春林(1)、劉長福(2)、李恒?(4)、張国亮(5)、趙寒陽(7)、張の印度音楽の老師と奥様(8,9)、楊光熊(10)、田再励(11)と奇妙な程、大物が集まっています。張の両側のご老人方(3,6)は誰かわかりませんが、OB的な人々らしい感じです。最後のお姉さん(12)も音楽院の老師と紹介されていました。他の卒演ではこういう人たちは見ないので、張は留校して教壇に立つのかもしれません。普通は自分の担当の教授も来ません。進路は着任するまで誰にも言えないのではっきりわかりませんが、普通でないことは確かです。他では一曲演奏が終わる毎に知り合いら支持者?が楽屋で熱狂的な拍手で迎えて励ます?ような演出も見られますが、張の場合はそれもなかったので、かなり雰囲気まで違いました。私個人はもし張が留校したら中国の大学にとって大きな変化だと思います。中国で重要なのは「金・権」であって、その両方共持っていない苦学生の張が留校となると、どういうことなのかよくわかりません。今後の推移を見守りたいと思います。
最後に司会の美人とのツーショットでシメたいと思います。
追記:張は中央音楽学院出版社というところに就職したようです。音楽の出版物の面倒をみる仕事のようです。その後、四川音楽学院に転籍して教師になりましたので、成功者と言えると思います。